最大平均点差が20点以内で調整はなし
大学入試センターは2月6日、1月18日・19日に実施したセンター試験の最終結果を発表した。1月24日に平均点集計の中間発表を行い、「科目間の得点調整はしない」とした。
得点調整の対象科目は、地理歴史のB科目間、公民の3科目間、理科②の4科目間。この得点調整対象科目間の最大平均点差が20点以上になった場合は調整の対象になる。また、受験者数が1万人未満の場合(地学)は、得点調整の対象にならないので、結局、調整はなかった。
文系・理系とも主要科目で平均点ダウン
大学入試センターが公表した「各科目の平均点」は右表の通りである。主要科目(B及び②)において、対前年でアップしたのは、①地理B+4.32点、②物理+3.74点、③倫理+3.12点(簿記会計・情報基礎は除く)。またダウンしたのは、①数学Ⅰ・A-7.80、②英語-6.99点、③地学-6.83点、④生物-5.33点、⑤数学Ⅱ・B-4.18点――などとなり、これらの減少が目立った。
因みに、20年度入試の平均点は主要科目の英語・国語・数学が軒並みダウンした。次年度から導入される「共通テスト」の影響もあり、新傾向の問題形式などが見られ、受験生が戸惑ったようだ。
大手予備校等の平均点予想では、5教科7~8科目文系型(900点満点)は548点前後、5教科7科目理系型(900点満点)は555点前後で、前年より共に20点近く低くなった。
私立大のセンター試験利用は2つの方式
ここで私立大の「センター試験利用入試」について触れておこう。私立大のセンター試験利用には、センター試験の成績だけで選抜する方式と、センター試験と大学の独自試験を総合して選抜する方式(センター・独自併用方式を含む)がある。
私立大のセンター試験の利用は、16年527大学、17年526大学、18年526大学、19年531大学、20年533大学となっているが、大学によって方式が異なるから、大学の入試要項を確認する必要がある。
教科名 | 科目名 | 20年 | 19年 | 差 |
国語 (200点) |
国語 | 119.33 (59.66) |
121.55 (60.77) |
-2.22 |
地理歴史 (100点) |
世界史A | 51.16 | 47.57 | +3.59 |
世界史B | 62.97 | 65.36 | -2.39 | |
日本史A | 44.59 | 50.60 | -6.01 | |
日本史B | 65.45 | 63.54 | +1.91 | |
地理A | 54.51 | 57.11 | -2.60 | |
地理B | 66.35 | 62.03 | +4.32 | |
公民 (100点) |
現代社会 | 57.30 | 56.76 | +0.54 |
倫理 | 65.37 | 62.25 | +3.12 | |
政治・経済 | 53.75 | 56.24 | -2.49 | |
倫・政・経 | 66.51 | 64.22 | +2.29 | |
数学① (100点) |
数学Ⅰ | 35.93 | 36.71 | -0.78 |
数学Ⅰ・A | 51.88 | 59.68 | -7.80 | |
数学② (100点) |
数学Ⅱ | 28.38 | 30.00 | -1.62 |
数学Ⅱ・B | 49.03 | 53.21 | -4.18 | |
理科① (50点) |
物理基礎 | 33.29 | 30.58 | +2.71 |
化学基礎 | 28.20 | 31.22 | -3.02 | |
生物基礎 | 32.10 | 30.99 | +1.11 | |
地学基礎 | 27.03 | 29.62 | -2.59 | |
理科② (100点) |
物理 | 60.68 | 56.94 | +3.74 |
化学 | 54.79 | 54.67 | +0.12 | |
生物 | 57.56 | 62.89 | -5.33 | |
地学 | 39.51 | 46.34 | -6.83 | |
外国語 (200点) |
英語 | 116.31 (58.15) |
123.30 (61.65) |
-6.99 |
リスニング (50点) |
英語 | 28.78 (57.56) |
31.42 (62.84) |
-2.64 |
<注意>平均点の( )内の数値は、100点に換算したもの。
(大学入試センター:2020.02.06)
*20年度センター試験では、主要科目の前年比較で国語-2.22点、数学Ⅰ・A-7.8点、数学Ⅱ・B-4.18点、英語-6.99点、リスニング-2.64点などとなり、平均点ダウンが大きく響いた。
*センター試験対策としては、過去問演習が有効だが、新傾向の問題等が出題されると、ミスする場合があるので注意したい。