【20年度センター試験①】現役志願率は43.3%で微減。最後の「センター試験」は、大きな混乱やトラブルはなし!!

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受験者52万7072人、1万9126人減

 今回で最後になる20年度大学入試センター試験は、20年1月18日(土)、19日(日)の両日、全国一斉に行われた。例年になく降雪が少なく、大きなトラブルもなく、終了した。
 その後2月6日には、「実施結果の概要」が大学入試センターから公表された。受験生は2次(個別)試験の出願も終わり、2月25日の前期試験に向けて追い込み勉強をしているだろう。
 ここで、20年度センター試験を簡単に振り返ってみよう。志願者数:55万7699人(前年57万6830人)で対前年19,131人減、受験者数:52万7072人(同54万6198人)で同1万9126人減少した。
 また、受験率(受験者数/志願者数×100)は94.51%(前年94.69%)で、全教科の欠席者数は3万627人(前年3万632人)だった。
 3月卒業見込者(現役生)のうちセンター試験に出願した者の割合、現役志願率は43.3%(前年44.0%)だった。ただし、これはセンター試験志願者のうちの現役生の割合ではない。

試験室の蛍光灯が切れて教室を変更

 20年度センター試験の経過を追ってみると――。
【18日(土)・1日目】全国689会場で地理歴史・公民、国語、外国語が実施され、初日の日程を終えた。毎年のことだが、トラブル等による試験時間の繰下げが3会場で発生した。また、英語リスニングでは機器の不具合などにより、試験を再度受けた受験生は109人にのぼった。
 トラブルの要因には、試験室の蛍光灯が切れて教室を変更した、試験中に受験生の目覚まし時計が鳴り、29人が影響を受け、このうち14人が試験を再度受けた――などがあった。
 大学入試センターの発表によれば、18日に試験があった各教科の志願者に占める受験者の割合(受験率)は地理歴史・公民=80.8%、国語=89.3%、外国語(筆記)=93.1%(リスニング)=91.8%だった。
【19日(日)・2日目】理科と数学の試験を実施し、全日程が終了。試験監督者の不手際のため、2日間で計104人が再試験対象者となったほか、電車の遅れなどで計109人が試験開始時間を繰り下げた。
 大学入試センターによると、各教科の志願者に占める受験者の割合(受験率)は理科①=28.5%、理科②=41.4%、数学①=69.5%、数学②=62.2%だった。
 また、2日間の日程で1件の不正行為があった。埼玉県の会場で、受験生の1人が地理歴史・公民の試験中にスマートフォンを使おうとしたが、試験監督者に見つかって連れ出され、全科目の成績が無効となった。スマホの使用に関する不正行為は、2016年1月に初めてあり、今回で5件目。

過去問にない「新傾向の問題」が出た

 受験生からは、過去問で見られなかった新傾向の問題が出題されたとの声が多かった。次年度から始まる、「共通テスト」の出題形式が窺えた。
 例えば、数学では複数の図を関連づけて解く問題、国語では会話文やイラストを使った問題、会話形式や高校生が調査した設定の問題などが出題された。
 英語リスニングでは、パンダの可愛いイラストが話題になった。問題文では、どのイラストが会話に適した内容かを問うものだった。

7科目受験が54.5%、3科目が21.9%

 20年度センター試験で、全受験者の平均受験科目数はどんな割合だったのか? 結果概要によれば、【8科目受験者】1.5%、【7科目】54.5%、【6科目】4.7%、【5科目】5.1%、【4科目】8.4%、【3科目】21.9%、【2科目】3.4%、【1科目】0.5%で、7科目と3科目が圧倒的に多かった。
 また、受験者は「理科②から1科目選択」の場合、どの科目を選択したか、その選択率は?【物理】42.1%、【化学】28.1%、【生物】29.4%、【地学】0.4%の順だった。次に、「理科②から2科目選択」の内訳では、【物理と化学】74.0%、【化学と生物】24.9%――で2つの組合せがほとんどを占めた。