中部大の応用生物学部環境生物科学科・大場裕一准教授と、別所学博士(現所属:米国モントレー湾水族館研究所)、基礎生物学研究所・重信秀治特任准教授らの研究グループは「ヘイケボタル」のゲノムの解読に成功した。また、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)と共同で、米国産ホタル「フォティヌス・ピラリス」のゲノムも解読。中部大の10月16日付ホームページでは、解読した両者のゲノムを比較することにより、ホタルの仲間が光る能力を手に入れたプロセスの詳細が初めて明らかになったと報告している。 ホタルの発光には、ルシフェラーゼと呼ばれる酵素の遺伝子が必要不可欠。今回の研究では、光らない生物でも普遍的に持っているアシルCoA合成酵素と呼ばれる脂肪酸代謝酵素の遺伝子が進化の過程で何度も重複を起こして複数のコピーが作られたなかで、そのひとつが発光活性をもつルシフェラーゼに進化したことが判明。さらに、ルシフェラーゼ遺伝子が遺伝子重複を起こして、ホタルの成虫の発光器官と、卵と蛹で発光するしくみが別々に進化したことなども明らかになった。研究成果は、科学専門誌「eLife」(10月16日付)でも掲載されている。 |