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【京都大】世界初! 日本人の基本6感情の表情を報告、エクマン理論と異なることを実証

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 京都大学の2月14日付ホームページによると、同大こころの未来研究センター・佐藤弥特定准教授らの研究グループは、日本人65人を対象に表情の表出を調べ、日本人の表情が心理学研究において著名なエクマン博士の理論とは異なることを実証した。

 アメリカの心理学者、ポール・エクマンは、感情を表す普遍的な表情があるという理論を提案したが、その理論を実証的に調べた先行研究は、これまで西洋文化圏でしか実施されていなかった。

 今回の研究では、まず被験者は基本6感情(怒り・嫌悪・恐怖・喜び・悲しみ・驚き)のシナリオに基づいて、例えば嫌悪では「⽣ゴミの臭いがすごく臭くて嫌だという気持ち」といった感情体験をイメージして表情を表出した。そして写真条件として、エクマンの理論に基づいて作られた表情写真を模倣。その結果、写真条件ではターゲットの感情が明確に表出されたが、シナリオのほうでは幸福と驚きの条件でしか感情ははっきりと表出されなかった。さらに、写真条件とシナリオ条件では、すべての感情で、感情と表情の動きのパターンが異なる結果が表れた。

 同研究グループは、今回の研究は日本人の基本6感情の表情を報告する世界初の実証的知見として、日本人においてはエクマンの普遍的な表情の理論は部分的にしか支持されず、理論を実証研究に基づいて修正する必要があることを示唆していると述べている。

 なお、この研究成果は、2019年2月12日に、国際学術誌「Frontiers in Psychology」のオンライン版に掲載された。

(大学HP:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/190212_2.html