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【「センター試験」過去問対策】問題演習が実戦力に直結。難関大学合格者は何年分の「過去問」を演習したのか?

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「センター試験」には過去問演習が有効

 センター試験は、制約の多い試験である。①出題範囲が決められている、②マークセンス方式である──これらを考えると、出題傾向などに一定の方向性があるようなのだ。
 通称、赤本でおなじみの「大学入試シリーズ」を出版する図書出版・教学社は、難関大学入学者を対象に、センター試験の過去問演習に関する調査を実施した。ここでは、その調査結果をベースに、過去問の利用について考えてみたい。
 センター試験は、限られた出題範囲の中から、基礎力をチェックする問題が出題される。しかも、選択肢から正解を選ぶマークセンス方式。長年続ければ、類似問題があったりする。大学入試センターも、過去問の出題を認めている。
 また、問題文がテーマのまとめになっている場合が多く、過去問を多量に演習することは、実戦力アップにつながっている。それだけに、センター試験対策として、過去問の演習が効果的といえる。

なぜ国語は他教科より演習量が多いか

 国語の平均過去問演習量は、10.9年だった。なぜ国語は他科目よりも多く演習されているのか。そのヒントは、アンケートの中の回答者のコメント、学習のポイントにあった。回答には「国語は現・古・漢の時間配分をつかむことが大切」という意見が多く見られた。
 センター試験の国語は、現代文(評論、小説)・古文・漢文という4つの大問に分かれている。これらは人によって得意・不得意や解き方が全く異なるため、過去問を使って解く順や時間配分など自分なりの戦略を立てる必要がある。それには、じっくりと過去問に取り組む必要があるという訳だ。

私立大志望者も国語・英語のセンター対策

 センター試験が必要となる国公立大に対し、私立大の入試では必須ではない。ところが、私立大入学者も、国語は10年ちかく、英語は8年以上の演習を行っているという結果が出た。国公立大と私立大を併願する受験生が多いということだろう。
 ともかく背景には、センター試験を入試に利用する私立大の増加がある。センター試験利用方式の入試を実施した私立大は、1990年度では16大学だったが、2019年度には531大学にまで増えている(大学入試センター発表)。これは、私立大の約9割にあたる。受験生からみれば、個別入試とあわせてセンター利用入試に出願することで合格のチャンスが増えるため、私立大志望者にとってもセンター試験の重要度は高いのだ。

「リスニング」対策にも過去問が役立つ

 英語(リスニング)の演習量は4.7年だった。一見少なく見えるが、実施開始が2006年と遅く、過去問は12年分と、他科目よりは少ない。決して演習する必要性が低いわけではなく、むしろ過去問に対する割合で見るとリスニングが一番高い。
 対策が難しいリスニング。学習のコツは、「普段から英語を聴いて、耳を慣らすこと」──英語(リスニング)の学習ポイントを回答した人のうち、6割以上が「普段から英語を聴くこと」「耳を慣らすこと」を重視していたという結果が出た。
 「一度解いた問題でもいいので、とにかく聴く時間を増やす」という意見も多く見られた。

過去問の演習時は目標時間を決めて!!

 過去問を演習する時は、制限時間を守って取り組むことが大切。特に、センター試験の問題では注意したい。なぜなら、センター試験の場合は、出題量が多い点が特徴になっているからだ。時間さえかければ、正解が導き出せるような基礎的な問題が多い。
 演習時には、いかに制限時間内に正解が選び出せるかがポイントになる。記述式のように、正解を導くプロセスは問われない。5択であれば、「これは違う」といった2択はすぐに見つかったりする。次に、残りの3択から正しいものを選べば良いのだ。
 過去問に多くアタックすることで、感覚的に正解に到達するテクニックも身につくだろう。