TOP > ガイド > 大学選び > 【21年度入試:学部・学科の...

【21年度入試:学部・学科の流れ】「大学&受験生」の動きは?大学入試は変わっても、社会のトレンドは変えられない!!

【キーワード】 大学入学共通テスト | 大学選び

「国際」「ビッグデータ」「情報」がキー

 入試制度が変わろうが、変化しないものがある。それをしっかり見極め、押さえることが入試準備のポイントになる。例えば、社会のグローバル化・スピード化は、インターネットやスマホなどの普及によって世界的規模で進み、この流れはもはや止められない。
 大学の学部・学科の改編や設置にも、トレンドが影響している。最近は、「国際」を冠した学部・学科が多くなっている。グローバル人材の育成は国家としても急務であり、大学もこれに対応している現れと言えよう。
 また、よく耳にする言葉に、「AI」(人工知能)や「IoT」(モノのインターネット化)などがある。これらの商品化には、ビッグデータや情報技術が生かされ、関連する学部・学科の設置が盛んになっている。これらの流れを把握したうえで、進路を決めていくようにする。

女子大学が大学の新しい流れを切り開く

 「情報」関連は、統計や経営、コンピュータなどが絡み、どちらかと言えば文理融合の分野である。これらの動きは、女子大学に経営系の学部を新設する動きにつながっている。20年4月に新設される共立女子大学のビジネス学部や武庫川女子大学の経営学部などである。
 共立女子大学のビジネス学部では、経営や法律、情報・統計といった通常の講義に加え、東京駅から2km弱という立地を生かし、企業の社員を招いて商品開発に取り組むとしている。女子の社会進出を支援する学部だ。

「文理融合」の学問、学部が増加の傾向

 「科学技術」というと、完全に理系の話だと思う人が多いかもしれない。しかし、科学技術をめぐっては近年、人工知能(AI)や生命科学に代表される通り、向かうべき方向性や倫理の問題など、人文・社会科学の知見が必要な課題がますます増えている。
 高校教育・大学教育・大学入学者選抜を一体とした「高大接続改革」の下では、入学後のカリキュラムはもとより、入試でも文系・理系にとらわれず科目を課す大学が今後、増えてくることが予想される。文理を融合させた学部の創設も、多くなるだろう。

超安全志向で私立難関大学は志願者減

 20年度入試の受験生は、21年度の新テストを避けるため、確実に合格を取りに行こうとする“安全志向”が見られるという。それは、合格を早く決められる推薦・AO入試の志願者の増加、難関私立大学の志願者の減少に結びついているようだ。
 その共通テストでは目玉である2本柱「英語民間試験の活用」、「国語・数学の記述式の導入」が見送りとなった。しかし、今年度の受験生にとって安全志向を急転換することは難しく、このまま行きそうだ。果たして、入試後の総括では、どのような結果になるだろうか。

最後のセンター試験のデータは使えるか

 今回の2つの柱の見送りで、見直されているのが20年度で終わる「センター試験」だ。もちろん、出題内容のコンセプトは変わるが、受験生の動向などには変化がないだろう。参考のために、20年度「センター試験」の動向について紹介しておこう。
 大学入試センターは12月6日、2020年1月18、19日に実施する現行方式最後の「センター試験」の確定志願者数などを公表した。全体の志願者数は55万7698人(対前年度1万9132人減)、その内訳は高校卒業見込者(現役生)45万2234人(同1万2716人減)、高校卒業者(既卒生)10万376人(同6306人減)だった。
 現役志願率(2020年3月卒業見込者のうち、センター試験に出願した者の割合)は、前年度よりも0.7ポイント減少の43.3%。ちなみに、2020年度センター試験の利用大学数は、706大学(国立82大学、公立91大学、私立533大学)となり、前年度より3大学増加(公立1校、私立2校)して過去最高となった。
 「共通テスト」になっても、志願者数は約55万人で大きく変わることはないだろう。特に、自分の志望校の地区の志願者数は、知っておきたいものである。
 ちょっと気になるのは、私立大学の「センター試験利用入試」533校の実施が、「共通テスト利用入試」ではどれくらいの大学数、志願者数になるかである。この利用数によって、過去の入試データが使えるかどうかが決まってくる。