TOP > ガイド > 受験全般 > 【21年度「入試改革」情報②...

【21年度「入試改革」情報②】「英語民間試験」活用のため共通の「ID」が必要になる。「受験の機会均等」に不安?

「CEFR(セファール)」を活用して評価

 すでに紹介してきた通り、共通テストでは英語に民間試験・検定を活用して、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価する。共通テストへの移行にあたり、最も大きく変わるのが英語である。コミュニケーション能力を重視する目的から、従来の「読む」「聞く」技能に加え、「話す」「書く」技能も評価されるようになる。
 そのために民間の資格・検定試験が導入されるのも大きなポイント。23年までは共通テストでも英語を実施し、大学が民間資格・検定との併用など利用法を指定する。
 また、各資格・検定の成績レベルは、CEFR(セファール)を活用して評価される。ところでCEFRとは、異なる語学検定を統一して評価するための指標で、A1~C2の6段階に分かれている。

「大学入試英語成績提供システム」とは?

 20年度入試では、受験生は20年4~12月、大学入試センターが発行する「ID」を使って民間の資格・検定試験を2回まで受けられる。成績はセンターが運営する「大学入試英語成績提供システム」を通じて、大学に提供される。
 同システムは、民間の英語資格・検定試験を活用して、大学入試で英語4技能の評価を支援するために、大学入試センターが20年4月から運営を開始するシステム。
 対象となる資格・検定試験は、大学入試センターが試験内容・実施体制などが入学者選抜に活用するうえで必要な水準と要件を満たしていると認定した6団体22試験となる予定。
 大学入試センターは19年9月2日、21年の「大学入試英語成績提供システム」について、共通ID発行申込案内を公表した。

■英語の民間試験活用のスケジュール​
時期 準備・本番
2019年11月 受験生が大学入試センターにID を申し込む
19年12月~20年1月 大学入試センターが受験生にID を発行
2020年4~12月 IDを使用して民間試験を受験する(2回まで)
2021年1月16・17日 共通テスト実施(リーディング・リスニング)

*入試センターが民間試験の成績を大学へ提供

「受験期間」をA、B、Cの3つに設定

 民間の英語資格・検定試験を活用する同システムについては、受験期間をA、B、Cの3つに設定。大学への成績提供時期は「受験期間A」を20年9月以降、「受験期間B」を20年11月以降、「受験期間C」を21年2月以降とした。
 ケンブリッジ英語検定、IELTS、TOEFL、GTEC、TEAP、英検と、資格・検定試験ごとにも実施日や受験期間を集約し、Webサイトにまとめて公表する。
 たとえば、GTECは20年6月14日実施分を受験期間A、7月19日実施分を受験期間B、10月4日と11月1日実施分を受験期間Cと分類している。ただ、受験期間については、調整中や未掲載の資格・検定試験もあり、最新情報は各実施主体のWebサイトなどで順次公表される予定。

4~12月に受験できるのは最大2回

 受験生や高校関係者からは、民間の試験の機会均等などや、大学の活用方法の公表が遅れている点を不安視する声が上がっている。大学によっては、初年度は本来の活用を控えるとするケースも出ている。また、各資格・検定試験の実施日、受験期間、会場数、受験料金などが出揃っていない。最新情報は、各実施主体のWebサイトなどで順次公表される予定。
 「大学入試英語成績提供システム」により登録できる成績は、大学を受験する年度の4~12月に受験した最大2回(一部例外あり)。受験期間が同じ試験を2回受験することも可能だ。
 大学入学共通テストを利用しない選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜でも利用でき、利用状況は各大学の公表情報などから確認する必要がある。