2020年度入試改革がプレッシャーに!!
文科省は8月28日、「平成31年度開設予定の大学の設置等に係る答申について」を公表した。これで大学の学部・学科を設置するものも含め、2019年度入試の変更点が出そろった。それらの変更点をチェックしながら、入試動向を見てみよう。
大きな流れとしては、2020年度の大規模な入試改革を控えているため、全体に入献の変更点は少なめとなっている。さらに、定員増も前年を下回っている。
受験生にとっては、2年後の入試改革が大きなプレッシャーとなる。特に「英語外部試験」の利用は、負担になっている。それだけに、早めに入学したいという「安全志向」が働くだろう。
◆「定員管理の厳格化』が継続
2018年度入試では、大規模私立大の難化が目立った。2016年度から始まった「定員管理の厳格化」、一定の基準を超えて学生を多く入学させると、国からの助成金が交付されなくなる制度が要因だった。
大規模私立大の基準となる入学定員充足率(入学定員に対する入学者の割合)の制限が、これまでの1.20倍から、16年度は1.17倍に引き下げられ、17年度は1.14倍、18年度は1.10倍と年々厳しくなり、19年度は1.00(未確定)を目指す方向だ。
この影響で私立の有名大学は軒並み、前年から1000人単位で合格者数を減らした。そのため以前のレベルでは、合格できなくなったのだ。
◆「インターネット出願」の増加
私立大の6割以上、国公立大の3割がネット出願を導入していると見られるが、19年度ではさらに増加する傾向だ。特に、国公立大の増加が目立つ。
全面移行するのか、紙の願書と併用するのかは各大学で異なるから注意したい。
◆「英語外部試験」利用の拡大
従来の入試方式の中で、英語の4技能を測定できる「英語外部試験」を利用する入試方式の導入や拡大が続いている。各大学は、英語運用能力を持つ入学者の確保を目的としている。
2019年度も「看護学部」の新設が増加
少子化によるr2018年問題」が話題になる中、2019年度は4大学が新設される。そのうちの2大学は看護学部であり、既存の大学も看護学部を増設している。高齢化社会を迎え、看護・医療系分野はまだまだ需要があるということだろう。
文科省は8月28日、「平成31年度からの私立大学等の収容定員の増加に係る学則変更予定一覧」も公表した。今固定員増が公表されたのは、青山学院大240人、武庫川女子大80人、日本医療大40人、久留米工業大30人、明治国際医療大20人、梅光学院大20人、日本医療科学大10人。私立大7校おける入学定員は、計440人増えることになる。
また、最近の傾向である学内併願時の受験料割引や「予約型奨学金」など、奨学金全般の拡充が目立っている。
大学を設置するもの(私立:4校) 数字:定員 |
長岡崇徳大:看護学部看護学科80人 岐車保健大:看護学部看護学科80人 和歌山信愛大:教育学部子ども教育学科80人 福岡国際医寮福祉大:医療学部理学療法学科40人・作業療法学科40人・視能訓練学科40人 |
学部を設置するもの(公立:1校・私立8校) |
富山県立大:看護学部看護学科120人 いわき明星大:健康医療科学部作業療法学科40人・理学療法学科60人 高崎健康福祉大:農学部生物生産学科100人 明海大:保健医療学部口腔保健学科70人 順天堂大:保健医療学部理学療法学科120人・診療放射線学科120人 長野保健医療大:看護学部看護学科80人 大手前大:国際看護学部看護学科80人 四天王寺大:看護学部看護学科80人 沖縄大:健康栄養学部管理栄養学科80人 |