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【「英語外部試験」利用入試】「資格・検定」の級やスコアを持てば、入試で優遇される!!AO・推薦・一般入試で利用。

【キーワード】 英語外部試験

大学は「4技能」備えた学生を求める

 21年度入試改革の目玉の1つが、「英語外部試験」の活用。その影響で、20年度入試でも活用する大学が増えている。その状況を紹介してみよう。
 最近の大学は、グローバル人材の育成に注力している。そんな中で、大学は英語4技能を備えた学生を求めている。4技能とは「聞く」「話す」「読む」「書く」のこと。しかし、今までの大学入試の英語では、「読む」「書く」が中心で「話す」が問われることはなかった。センター試験のリスニングで、「聞く」は実施している。
 日本では、英語4技能をバランスよくチェックしてこなかった。文科省は、4技能を測る「英語外部(資格・検定)試験」(以下「英語外部試験」と表記)を利用して、大学入試で受験者の英語力を測ることを勧めている。

大学によっていろいろな利用方法がある

 これら方向性を受けて、20年度大学入試では「英語外部試験」を利用する方式の導入が増えている。しかし、その利用方式は、各大学が独自に決めている。一般入試で利用する大学もあれば、AO・推薦入試の場合もある。
 どのような利用パターンがあるか、各大学の入試要項をチェックしてみた。以下が、主なケース。
①出願資格として利用
 各大学(学部・学科)が指定する基準(スコア・級)をクリアすれば出願が可能。その後は、英語以外の科目を受験し、その得点で合否を決定する。大学によっては、単に出願資格を与えるだけのケースもある。
②得点換算して利用
 各大学(学部・学科)が指定する基準(スコア・級)をクリアすれば、英語を満点(または一定の得点)と見なして換算する。その他の入試科目の得点と合算し、合否を判定する。
③加点して利用
 各大学(学部・学科)がスコアや級ごとに設定された得点に換算し、満点を超えない範囲で合計点に加える。センター試験や大学独自で実施する英語受験が必要になる。
④試験を免除
 級・スコアを持っていると、大学入試で一部の科目が免除される。
⑤判定で優遇
 合否判定で優遇措置を行う。

対象となっている「資格・検定試験」は?

 「英語外部試験利用入試」では、どの「資格・検定試験」が対象として多いのだろうか。20年度入試では、英検、TOEFL、TOEIC、TEAP、GTECなどが対象となっているケースが多い。
 上智大では「TEAP利用型入試」が行われている。英語の試験を行わず、事前にTEAPを受験し、学科が設定している基準スコアを満たしていれば出願可能になる。試験日に英語は行わないのが特徴だ。
 一般的には、中高生の受検者が多い実用英語技能検定(英検)の場合が目立っている。例えば、①出願資格では、「英検準2級を持っていると出願できる」とか、②得点換算では、「英検準2級を持っていると、大学独自の英語科目の得点を80点と見なし、合否判定に利用」とか、③加点では英検準2級を持っていると、大学独自の英語の得点70点に10点を加算。80点を取ったとして、合否を判定する」などのケースが見られる。
 ともかく、外部試験の級やスコアを持つと、入試で有利に扱ってもらえるケースが多い。チャンスがあれば、ぜひ挑戦してほしい。

推薦・AO入試では「出願資格」も多い

 私立大学入試では、「推薦+AO入試」の合格者が入学者の約半数を占める現実がある。そこで、「英語外部試験」が、推薦・AO入試ではどのように利用されているかを見てみよう。
 簿記や漢字検定などと並んで、英検は出願や判定優遇の要件に設定されていた。推薦・AO入試では、資格・検定が学力担保の目安になっていたのだ。ここにきて、英語が注目され出し、英語外部試験の利用が活発になっている。
 利用方法では、該当する級やスコアを持っていないと出願できない、「出願資格」とする大学がAO入試では多い。一方、推薦入試では評定平均値で学力を担保し、より高い英語力を保持する受験生を「評価加点」によって合格させるために外部試験を利用するところが多い。

参考
>>2020年度 英語外部試験利用大学/全国版