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【19年入試の特徴&総括】「定員管理の厳格化」で、私立難関校の志願者が減少!!理工系の私立大学が健闘。

【キーワード】 入試結果データ

19年入試も「定員管理の厳格化」が影響

 16年度から始まった「定員管理の厳格化」が、19年度も継続される。19年度の定員オーバーは、18年と同じで大規模大が1.10倍まで。これを超えれば補助金がカットされるだけに、私立大では神経をとがらせている。この影響で、難関校から中堅校までが難化すると予想され、「安全志向」が優先されたようだ。
 そのためか、早慶、MARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)で知られる難関私立大は、国際経営学部と国際情報学部を都心に新設する中央大を除き、志願者を減らしている。
 また、関西ではくっきりと明暗が分かれた。関西大、近畿大、京都産業大が志願者数を伸ばしている一方で、同志社大、立命館大、関西学院大などが大きく減らしている。2020年度に導入される入試改革が迫る中、「安全志向」が強く、前面に出たとみられている。

「センター利用入試」にちょっとした異変

 私立大の「センター利用入試」は、気軽に併願できるとあって、1つの柱だった。センター試験の平均点が上昇した影響もあり、例年と違う動きを見せた。ここ数年は安全志向で受験生の併願数が増えてきたが、19年は倍率の低い大学に出願したり、難化した大学を敬遠したりする傾向が見られた。
 国立大の併願校になったと見られる早稲田大は前年比112.7%で増加したが、法政大(前年比98.8%)、立教大(同96.6%)、明治大(同88.7%)、明治学院大(同80.0
%)などは大きく減らした。
 早稲田大の場合は、政治経済学部(前年比115.9%)、法学部(同130.0%)、商学部(同145.5%)、国際教養学部(同126.2%)であり、レベルの高い国立大との併願が予想される。19年私立大入試では、簡単に受験できると好評な「センター利用入試」において、ちょっとした異変が見られた。

理工系では情報関連分野の人気が高い

 19年入試の特徴の1つは、理工系大学の健闘だ。理工系の私立大が志願者数を増やした。東京理科大(前年比104.0%)や芝浦工業大(同104.8%)などである。
 伸びている要因の1つは「情報分野の需要」で、ICT(情報通信技術)、IoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)など、最先端の人気分野がいろいろあるからだ。さらに、オリンピック関連の建築ラッシュの後も、高速道路、架橋、ビルなどのインフラ整備が急務となっており、理工系の需要は続くと見られている。
 今年の東京工業大(情報理工学院)は高人気で、志願倍率が9.8倍となった。その背景には、大学と大学院を統一する「学院」を創設したことも高い評価につながっている。上位国立大の理系学生の多くは大学院への進学を考えており、大学院入試の回避が魅力になったかもしれない。