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【教育ローン】まとまったお金を入学前に借り入れできるのが教育ローンの利点。一番人気は低金利の「国の教育ローン」。

入学費用や一人暮らしの準備費用に

 入学までにかかる費用は自宅外生なら軽く100万円を超えるほど。奨学金の貸与が受けられる場合でも、振り込まれるのは入学後なので受験費用や入学手続き時の納付金、一人暮らしの準備には利用できません。そんなとき、大きな頼りになるのが教育ローンです。
 教育ローンには、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」をはじめ、民間・組合の金融機関の教育ローンなどがあります。ここでは、最も多く利用されている「国の教育ローン」を中心に、その特徴や注意点などを見ていきましょう。

低金利が魅力の「国の教育ローン」

 「国の教育ローン」の最大の魅力は、何といってもその金利の低さにあります。2019年2月現在の金利は1.78%で、2~4%程度が中心の民間の金融機関に比べてかなりお得。また、民間の金融機関のローンは変動金利が主流ですが、固定金利なので景気に左右されることがなく、返済計画が立てやすいのもメリットです。ちなみに利率1.78%・借入金額100万円・返済期間10年(119回払い)の条件で融資を受けた場合、毎月の返済額は9200円で、返済総額は109万1600円になります。
 国の教育ローンのもう一つの大きな特色は、年収制限があること。例えば、子供が2人いる家庭の場合、世帯年収が890万円(所得680万円)が上限になります。ただし、自宅外通学者や単身赴任者がいる世帯など、条件によっては年収の上限額を超えても借り入れが可能です。
 融資限度額は学生1人につき350万円(海外留学資金の場合は450万円)以内で、返済期間は最長15年まで可能です。母子/父子家庭や交通遺児家庭、世帯年収200万円以内の人、子供3人以上で世帯年収500万円以内の人などには、返済期間の延長やさらに金利が安くなるといった優遇制度もあります。

学生支援機構の奨学金とも併用可

 奨学金の多くは決められた時期に高校等を通して申請を行いますが、国の教育ローンは、全国の日本政策金融公庫の支店のほか、インターネットや郵送で1年間を通じて申し込むことができます。
 利用できる使い道は、学校納付金(入学金、授業料など)、受験にかかった費用(受験料、交通費など)、自宅外通学に必要な住居費用(敷金・家賃など)、教科書代、パソコン購入費、通学費用、学生の国民年金保険料など、今後1年間に必要となる費用。日本学生支援機構の奨学金も併用できる点もうれしいところです。
 申し込みはお金が必要な時期の2~3カ月前が目安。申し込み完了から融資決定まで約10日、振り込みまで20日程度が標準ですが、申し込みが集中する受験シーズン(1~3月)はさらに日数がかかる場合も。住民票や預金通帳、源泉徴収票、在学証明書などの書類も必要なので、早めに手続きしておきましょう。なお、民間金融機関の教育ローンの中には1週間以内で融資を受けられるものもあり、急に入学資金が必要になった場合などに便利です。

■主な教育ローンの概要
名称 利用条件 融資額 金利 返済期間
国の教育ローン
(教育一般貸付)
子供1人の世帯:年収790万円(590万円)以下
子供2人の世帯:年収890万円(680万円)以下
※( )内は事業所得者の年収
学生・生徒
1人につき
350万円以内
年1.78% 15年以内
(母子家庭等の条件に
よっては18年以内)
ろうきんの教育ローン
(証書貸付型)
※中央労働金庫の例
・中央労働金庫に出資のある団体会員の構成員
・生協の組合員とその家族
・関東1都7県在住者または勤務者
最高2000万円 年2.4%~3.9% 最長15年
金融機関の教育ローン 借入時の年齢が20歳以上70歳未満、安定継続
した収入がある、指定保証会社の保証が受けら
れる等、金融機関により異なる
10万~500万円
程度
各金融機関に
問い合わせを
1~10年が標準
※金利は平成31年2月20日現在