「人生の3大費用」という言葉がある。 保護者の方々ならご存じだろうが、「子の教育費」「住宅購入費」「老後の生活費」の3つだという。そのうち、受験生の保護者にとって、熟知して対応しなければならないのが「教育費」。今回は、大学入試から始まる「教育費」全般について紹介してみよう。
納付金は国立82万円、私立132万円
スタ-トラインは「受験」からにしよう。ひと口に「入学費用」といっても、どこまでの費用を含めるかがポイントになる。あらかじめ明確にしておこう。
入学費用 | 受験費用(受験したすべての大学・学部にかかるもの)、受験料、交通費、宿泊費など |
大学納付金(入学金、授業料、寄付金、学校債など、入学時に大学に支払う費用) | |
入学しなかった大学への納付金(できる限り無駄な出費は避けるが…) |
日本政策金融公庫が2 0 1 8 年2 月1 4 日に公表したデータによれば、1人当たりの入学費用は、大学が85万2000円、短大が54万3000円だった。私立大の入学費用は理系で8 7万円、文系で92万9000円、国公立大の入学費用は69万2000円となっている。
なお、入学時に入学金とあわせ授業料(入学時一括か分割か)を納入する大学もあるため、初年度納入金も併せて確認しておく必要がある。
■国公立・私立別にみた入学費用(子供1人当たりの費用)
(日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(2018年2月14日)」)
大学 | 授業料 | 入学料 | 合 計 | |
---|---|---|---|---|
国立 | 535,800 | 282,000 | 817,800 | |
公立 | 都内 | 520,800 | 141,000 | 661,800 |
都外 | 520,800 | 282,000 | 802,800 | |
〈注〉公立大:首都大東京、授業料は1年分 |
国立大と公立大は、授業料や入学料において、それほど変わらない。私立大には施設費があるが、国公立大にはない。授業料も国公立大のほうが安い。この安さが国公立大の魅力であり、人気が高い要因になっている。
学部 | 授業料 | 入学料 | 施設費 | 合計 |
---|---|---|---|---|
文科系 | 758,854 | 234,763 | 157,246 | 1,150,863 |
理科系 | 1,071,560 | 256,208 | 190,565 | 1,518,333 |
医歯系 | 2,896,848 | 1,013,054 | 883,026 | 4,792,928 |
その他 | 955,473 | 265,694 | 233,970 | 1,455,137 |
全平均 | 877,735 | 253,461 | 185,620 | 1,316,816 |
*平均額、576大学調査(文科省:2017年12月) |
受験費用は30万~35万円用意したい
入試では受験料が必要になる。
国公立大の場合、センター試験を受ける必要があり、その受験料は3教科以上が1万8000円、2教科以下が1万2000円。個別(2次)試験の受験料が約1万7000円。 したがって、国公立の受験料は3万5000円になる。
私立大では、 各大学によって多少異なる。 明治大は、一般入試が3万5000円、センター試験利用が1万8000円で、全学部統一入試で併願する場合は2学部目からは1学部につき2万円になる。私立大は1受験3万5000円が相場である。普通は3~5校の併願が当たり前だから、15万円前後はかかる。
この受験料に、受験地によって交通費や宿泊費が加わる。一般的に受験費用(=受験料+交通費+宿泊費)は、30万~35万円くらい用意したい。さらに、自宅外(下宿)通学者の場合は、新生活の準備のために家賃+敷金・礼金+生活用品費などの費用(=41万円くらい)も入学前に用意しておく必要がある。